日中外にいれば日焼けをしやすくなりますよね。それに、雨の日に外にでれば雨で服や靴が濡れてしまいますよね。このように、ちょっとした短い時間に外にでただけで、天候による影響を受けてしまいます。
だとすれば、四六時中に外気に触れている外壁は、何もしなければ時の経過とともにさまざまな劣化症状が発生してしまうのも無理ないですよね。
外壁の劣化症状のなかでも、特に「ヒビ割れ(クラック)」は放置してしまうと後になって大きな問題に発展することが多い劣化です。お住まいの家が建っている環境や、使っている外壁塗料や素材の違いによっても劣化の度合いが大小異なります。
ここでは、外壁のヒビ割れについてもう少し詳しくみていきましょう。
目次
外壁のヒビ割れは劣化の度合いで「種類」に分けられる
一口にヒビ割れといっても、実際には劣化の度合いによって「ヒビ割れの種類」を分けることができます。
まず、外壁にできるヒビ割れを「クラック」と呼びます。そして、そのクラックをヒビ割れの状態ごとにさらに分類することができ、それぞれを「ヘアークラック」、「構造クラック」と読んでいます。
ヘアークラックや構造クラックをはじめとしたクラックが起こる原因は、主に雨や風、太陽光、地震などの外部からの影響で外壁が乾燥してしまうことで起こるとされています。
「ヘアークラック」幅0.3mm以下、深さ4mm以下のヒビ割れ
ヘアークラックは、幅0.3mm以下、深さ4mm以下のヒビ割れのことを指します。ヒビ割れの種類のなかでは軽度なヒビ割れとされているので、急ぎで対処することはないといわれています。しかし、このヒビ割れのすき間から汚れがしみ込むこともあれば、見た目だけではヒビ割れの深さを判断できないこともあるので注意が必要です。
「構造クラック」幅0.3mm以上、深さ4mm以上のヒビ割れ
構造的な欠陥が原因でおこるヒビ割れを「構造クラック」といい、幅が0.3mm以上、深さが4mm以上のヒビ割れのことを指します。軽いヒビ割れといわれるヘアークラックにくらべ、ヒビ割れの幅も深さも大きく、建物の欠陥が原因で内部から生じている可能性もあるのでたいへん危険です。また、軽いヒビ割れにくらべて、水や汚れが入りこむすき間が大きいので建物の構造を支えている鉄素材にまで悪影響を与える可能性があるので注意が必要です。
ひどいヒビ割れによる悪影響とは?
ヒビ割れの状態がひどくなると、外壁の下地と塗料の密着率が下がってしまいます。
密着率が下がると、その亀裂部分から雨水や湿気がしみ込んでしまい、雨漏りやカビの発生といった悪影響を引き起こしてしまいます。
構造クラックは、建物の構造にも悪い影響が及ぶので、ヒビ割れの補修だけでは不十分といった事態にも成りかねません。そのため、建物の寿命を長く保たせるためには、外壁のヒビ割れは塗装のプロに依頼して修復をしてもらうのが最善策といえるでしょう。
ヒビ割れの状態はプロにみてもらうのが鉄則!
普段から外壁の状態を観察して、ヒビ割れができていないか、目立った汚れがないかなどをチェックしておきましょう。
少しずつ目でみえるヒビ割れの数が増えてきたり、ヒビ割れの幅が広く感じたりしたときには、ヒビ割れについて確かな知識をもった「塗装のプロに外壁の状態をみてもらう」ようにしましょう。
ヒビ割れや汚れが目立ち、亀裂も入っているときには目につきやすいのですが、素人の目で分かるのはそこまでで、そのヒビ割れの種類がヘアークラックなのか、構造クラックなのかといった深刻度を見極めることは難しいからです。
小さくても気になるヒビ割れを自分で修復する人もいますが、すぐにまた同じところからヒビ割れが起きてしまったり、別のところにヒビ割れが起こったりと、結局は根本的なところを「外壁塗装メンテナンスで改善しないと意味がない」場合も多いのです。
外壁のヒビ割れ対策には、「弾性塗料」が効果的!
外壁にクラックが多く発生しているときには、状態が悪化するまえに外壁塗装をしたほうが安心といいのは何となく分かりますよね。
外壁のヒビ割れ対策のために外壁塗装メンテナンスをするときには、まずはヒビ割れをしている部分をきれいに削ることがはじまります。そして、ヒビ割れで空いてしまったすき間を埋めるためには、シーリング材を埋めこみます。
とても単純な作業にみえますが、熟練した塗装技術がある職人さんに任せないと、すぐにまた亀裂が発生してしまうので、単純にみえる作業もとても慎重におこなう必要があるのです。
さて、シーリング材ですき間を埋めたあとは、塗料がきれいに塗れるように、外壁の付着面を平らにする作業をします。デコボコの外壁のままだと塗料がうまく外壁に密着しないからです。
平らになった外壁には、外壁のヒビ割れに強いといわれる「弾性塗料」を塗るのが一般的です。
クラックが大きな場合には、弾性塗料の種類の中でも特に弾力性に富んだ塗料を使います。高い弾力性のある塗料を使うことで、もし、またヒビ割れが起きてしまっても、弾力性のある弾性塗料の塗膜が伸びて、ヒビ割れを埋めてくれるのです。ということは、ヒビ割れの状態をしっかり見極めたうえで、どのくらいの弾力性をもつ塗料を選ぶかということがヒビ割れ対策ではとても大事なポイントになるといえますよね。
まとめ
1.外壁のヒビ割れを「クラック」と呼ぶ!
2.クラックは二種類ある!
3.見た目ではヒビ割れの深刻度が分からないことが多い!
4.ヒビ割れの状態はプロにみてもらうと安心!
5.ヒビ割れ対策・防止には「弾性塗料」!
6.ひどい状態になる前に定期的な外壁塗装メンテナンスをしよう!
外壁のヒビ割れやその種類、悪い影響、状態を把握することは難しいことなど、いろいろと見てきました。これだけでも分かるように、たかが小さなヒビ割れと思っているのはとっても危険ですよね。
クラックの状態は、塗装のプロでないと見極めが難しいところです。同じヒビ割れのように見えても、一方では塗膜(汚れから外壁を守っている塗料の膜)に亀裂が入っていることもありますし、もう一方では塗膜を完全に破壊してしまい、外壁の下地部分にまで亀裂が入り込んでいることもあるのです。