外壁塗装に使う塗料には、目的や用途によりさまざまな種類の塗料があるのをご存じですか。
外壁塗装の世界で有名な塗料といえば、アクリル系塗料やウレタン系塗料、シリコン系塗料、フッ素系塗料、光触媒などがあります。そして、これらの塗料をさらに種類分けすることができるのですが、それこそが、ここでご紹介する「水性塗料」と「油性塗料」です!
目次
水で溶かして使う「水性塗料」ってなんだろう?
最近の外壁塗装で主流になっているのが、「水性塗料」です。
水性塗料の特徴① 水で溶かして使う塗料
まずは、「水性塗料」の特徴ですが、それは塗料の成分である樹脂や着色剤に混ぜる「溶剤」として「水」を利用するということです。
水性塗料の特徴② 安くて臭いが少ない
水性塗料の特徴でもあり、メリットなのが「価格が安いこと」や、「塗料独特の臭いが少ない」ということです。いま使われている塗料の多くは、水性塗料ともいわれています。
水性塗料の特徴③ 耐久性は低いがDIY塗装にも適している
水性塗料は、油性塗料にくらべると「耐久性が低い」とされていますが、塗料開発の進歩で、最近の塗料は耐久性にも定評がある水性塗料が多く開発されています。保管方法がそれほど難しくないので、DIY塗装をしようとする人が自宅に保管していることも少ないほど扱いやすい塗料なのです。
水性塗料の特徴④ 低い気温では作業できない
気温や季節にそれほど左右されない油性塗料にくらべると、水性塗料が使えるタイミングには制限があります。それは、「低い気温では作業できない」ということです。低い気温にも対応できるような高品質の水性塗料を使うとなると、普段よりも高額な費用がかかってしまうこともデメリットです。
有機溶剤で溶かす「油性塗料」ってなんだろう?
以前までの塗料の主流といえば「油性塗料」でしたが、急激に進む製品開発により、ここ最近では水性塗料の方が多く使われるようになりました。
油性塗料の特徴① 有機溶剤で溶かして使う塗料
「油性塗料」は、塗料の成分に水を混ぜあわせて使う水性塗料とは違って、シンナーなどの「有機溶剤」を混ぜあわせて使う塗料です。
油性塗料の特徴② 密着性や耐久性が高い
有機溶剤を使った油性塗料は、外壁への「密着性や耐久性の高さ」が最大のメリットです。そのため、水性塗料にくらべると価格が高額になります。
油性塗料の特徴③ 人体に悪影響を及ぼす有機溶剤を使う
油性塗料の最大のデメリットは、「人体に悪影響を及ぼす有機溶剤を使用する」ということです。有機溶剤を使うと、独特の「臭い」がきついことから、人によってはその場にいることで具合が悪くなってしまうことがあります。
油性塗料の特徴④ 誰でも扱える塗料ではない
油性塗料でもっとも気をつけたいことは「誰でも扱える塗料ではない」ということです。有機溶剤のきつい臭いのもとは火が引火しやすいといった性質を持っているため、だれもが簡単に使って、簡単に保管できる塗料ではありません。強い性質を持った塗料であるため、使い方によっては外壁塗料を溶かしてしまう可能性もあるのです。
油性塗料は、1液型塗料と2液型塗料に分かれています!
上でご紹介した特徴だけでなく、油性塗料にはさらに特別な性質があります。
それが、油性塗料は「1液型塗料」と「2液型塗料」に分かれているということです。
違い1.そのまま使うか、混ぜて使うか。
1液型塗料と2液型塗料の最大の違いは、「そのまま使える塗料なのか」、それとも「そのままでは使えない塗料なのか」ということです。
そのまま使える塗料は1液型塗料であり、一つの種類の塗料だけで使うことができます。そして、そのままでは使えない塗料は2液型塗料であり、一つの種類の塗料だけでは使うことはできません。2液型塗料を使うときには、主剤となるものに硬化剤(樹脂)を混ぜてから使います。
違い2.密着性や耐久性の高さの違い
油性塗料は、水性塗料にくらべると外壁への密着性・耐久性が高いといわれています。1液型と2液型では、塗膜性能の高さから2液型の方が密着性や耐久性に優れているといわれています。
2液型は、硬化剤を混ぜて使うため、時間が経てば経つほど塗料が硬くなるといった特徴があります。そのため、硬化剤を混ぜてから、8時間以内には塗り替え作業を完了させなければなりません。
選ぶなら水性塗料、それとも油性塗料、どっち?
耐久性を重視するなら、今のところは「油性塗料」が有利!
耐久性を重視するときには、今のところは「油性」がおすすめです。
それでも、少し前までは絶対に油性塗料が良いといわれてきたのですが、塗料メーカーの開発努力が進むにつれて、水性塗料でも油性塗料に負けないほどの性質を持った製品も多くなっています。
人体や環境にやさしい塗料を選ぶなら、「水性塗料」!
油性塗料を使ったときの外壁塗装は、有機溶剤を含んでいることもあり臭いがきついこと、そして人によってはシックハウス症候群などの症状を引き起こすことがあります。このような不安材料を踏まえると、人体にも環境にも優しい水性塗料を使ったほうが良いでしょう。
こだわりがないなら、断然「水性塗料」がおすすめ!
油性塗料と、水性塗料の中でどちらかを選ぶのであれば、断然「水性塗料」がおすすめです。水性塗料であれば、小さなお子さまやペットがいる家庭でも使いやすいですし、何より最近の外壁塗装の主流が水性塗料になっているので、さまざまな品質の水性塗料製品が色々とでているということです。
まとめ
1.外壁塗装でつかう塗料には、水性塗料と油性塗料がある!
2.水性塗料は水で溶かして使うから臭いが少ない!
3.最近の主流は、人体にも環境にもやさしい水性塗料!
4.油性塗料は、有機溶剤で溶かして使うから臭いがきつい!
5.油性塗料は耐久性に優れている!
6.水性塗料の中には油性塗料にも負けない性質の製品も増えている!
7.油性塗料には、1液型と2液型がある!
8.水性と油性のどちらかを選ぶなら、総合的にみると「水性塗料」がおすすめ!
失敗のない外壁塗装をするには、使う塗料の選び方にも気をつけなければいけません。塗装業者にいわれたままに塗料選びをすると、なにが良くて、どういったデメリットがあるのかが分かりません。
今回ご紹介した中でも、塗料には水性塗料と油性塗料があって、それぞれにメリットやデメリットがあります。このように、塗料の種類や特性をよく理解することで、後悔のない塗料選びをすることができるのです。