下塗り塗装の重要性や種類とは?塗装の第一段階が仕上がりを左右する
外壁塗装をすると、たくさんの中から選んだ塗料を外壁全体に塗っておしまい、と思っている方も多いのではないでしょうか。
でも本当は、そんなに簡単な作業ではなくて、基本としては塗装の回数は「3回塗り」をするのが一般的なのです。外壁塗装でトラブルが発生するときに多い問題が、塗装の回数をごまかされてしまうといった手抜き作業です。手抜き作業のなかでも、今回ご紹介する「下塗り」を抜かしている手抜きが多いのです。
下塗りであれば、やってもやらなくても素人はみても分からないだろう、と考える悪質な業者が残念ながら存在しているのですね。
このような手抜き作業にあわないためにも、下塗りの重要性や種類について知っておくと安心ですし、失敗のない外壁塗装にすることができるでしょう。
目次
最初の塗装が「下塗り」、その基本情報を知ろう!
外壁への最初の塗装といえば、この「下塗り」です。
下塗りは、塗装作業のなかでも最も重要ともいえる作業です。なぜなら、下塗りがきちんとされていないと、下塗りの前にしていた下地調整の作業や、下塗りの後にする予定の中塗りや上塗りといった作業の効果が薄れてしまうからです。
下塗りはなぜ必要か?
一般的に、中塗りや上塗りは同じ色の塗料を使って塗装をしますが、下塗りに使う塗料の色は無色透明、または白が多くなります。
下塗りがなぜ必要かというと、それは「下地調整をした外壁に中塗り・上塗りの塗料をしっかり密着させるため」です。下塗りが十分にされているときには、そのつぎに塗装をしても塗料が外壁からはがれやすくなってしまうのです。
下塗りをして、外壁にしっかりと塗料をしみ込ませておくと、そのあとの中塗りや上塗りの塗料が無駄に壁に吸収されることを防ぐことができるので、余計な塗料を使わずに済みます。
悪質な業者のなかには、塗料の塗り替え作業を2回にして、下塗りをしないで中塗りや上塗りをしてしまうことがあります。しかしこれは、明らかに手抜き作業と考えていいでしょう。手抜き作業に巻き込まれないためには、契約をするまえに必ず塗装の回数や、塗装作業の工程などについて詳しく確認しておくと安心です。
下塗りの種類① 下塗り塗料《シーラー》
外壁に、中塗りや上塗りの塗料をしっかり密着させるための重要な塗装が下塗りですよね。下塗り作業には、「シーラー」という塗料を使います。
中塗りや上塗りで使われる塗料には、密着性といった性質が含まれていないため、外壁に塗料をしっかり密着させるためには、接着剤のような役割を果たす「シーラー」を使って下塗りをする必要があるのです。
傷んだ壁にシーラーを十分にしみ込ませる
外壁塗装をするときは、すでに外壁の表面にはたくさんのキズや凹みがあります。そのため、下塗りをしないで中塗りや上塗りをしてしまうと、キズや凹みが塗料をたくさん吸いこんでしまって、塗料の量を無駄に消費してしまうのです。
吸いこみが激しい外壁にどれだけ塗料を塗っても、塗料を無駄に使うだけですし、部分的にムラがでてしまいきれいな外壁に仕上げることがむずかしいのです。
こういったことを防ぐのが、下塗りでありシーラーの役割です。
下塗り塗料であるシーラーを、劣化の激しい外壁におもいっきり吸いこませておけば、キズやヘコミを覆うことができて、中塗りや上塗りの塗料が必要以上に吸いこまれることを防ぐことができるのです。
シーラーの種類は二種類ある!
シーラーの中には種類があって、外壁の劣化があまりひどくないときには「水性シーラー」を使います。劣化がひどいときには、「油性シーラー」を使います。油性のほうが、水性よりも乾燥時間が短いというメリットはありますが、塗料独特のきつい臭いがあるというデメリットがあります。
下塗りの種類② 下塗り塗料《フィラー》
シーラーと同じく、下塗り塗料として使う「フィラー」は、表面がデコボコしたモルタル外壁や、小さなヘアークラック(3mm以下のヒビ)が生じている壁に使います。
デコボコを埋められるフィラー
フィラーの材質は、とても弾力性があってドロドロとしています。そのため、下塗りの段階でフィラーを使うと、外壁のデコボコを埋めることができるのです。デコボコした部分を失くすことができれば、平らで滑らかな外壁にすることができるので、塗装がしやすくなります。
フィラーの種類は弾性の強弱によって違う!
フィラーの種類はいろいろありますが、なかでも「微弾性フィラー」を使って下塗りを行うことが多いようです。微弾性フィラーの特徴は、シーラーとフィラーのどちらの要素も含まれた下塗り塗料であるということです。外壁に小さなヒビがあるときには、微弾性フィラーで対応することができます。
シーラーとフィラーの大きな違いは?
シーラーとフォラーは、下塗り塗料です。どちらも中塗りや上塗りを塗りやすくするため、そして美しく塗装するために必要な作業です。
その違いは、それぞれの塗料の役割です。
シーラーは、外壁に塗料を吸いこませて、中塗り塗料や上塗り塗料の吸いこみによるムラをなくすためや、密着性をもたらすために必要な作業です。
一方で、フィラーはデコボコした外壁や、小さなヒビ割れや穴などを埋めて、外壁の表面に段差ができないようにするための作業だということです。
まとめ
1.外壁塗装の基本は3回塗りで、最初の塗装が「下塗り」!
2.下塗りが手抜きされると、塗料がはがれやすくなる!
3.シーラーとフィラーは、下塗り塗料の代表格!
4.シーラーがしみ込ませると、吸いこみムラを防止できる!
5.フィラーでデコボコを埋めて、滑らかな外壁を作る!
6.下塗り塗料には、微弾性フィラーがよく使われる!
7.シーラーはムラを予防するため、フィラーは穴を埋めるための下塗り!
下塗りの重要性を知らないまま、手抜き作業で下塗りが抜かされてしまうと、塗った塗料がはがれやすくなり、すぐにまた塗装が必要になってしまう可能性だってあります。それぞれの塗装が、外壁の仕上がりを左右する大事な作業ですが、下塗りを適当にしてしまうとそのあとの中塗りや上塗りで挽回しようと思ってもあとの祭り状態です。
業者を選ぶときにもポイントになるのですが、「下塗り」の重要性をよく分かっていて、下塗りの作業をとくに慎重にやってくれる信頼できる業者を見つけることが大切です。