トラブルを未然に回避しよう!塗装をしたあとに起こりやすい外壁の経年劣化
住宅リフォームの中でも大がかりな工事になるのが「外壁塗装」です。
塗装をする範囲が広いことからも高い費用がかかりますし、作業にも一週間以上はかかります。さらに、住宅リフォームのなかでも「外壁塗装のトラブル発生率」は群を抜いています。
そこで今回は、「塗装完了後の外壁トラブル」でよく起こりやすい例について、いくつかご紹介します。
塗装後のトラブル1 塗料の塗膜剥がれ
外壁塗装をしたあとのトラブルで多い例の一つが、「塗膜剥がれ」です。
塗膜剥がれは、工事が完了してから数日で起こるのではなく、数か月、または数年してから起こります。劣化の状態としては、外壁からペラペラと塗膜が剥がれ始めるのです。塗膜剥がれが起こる一番の原因は「下地調整がきちんとされていなかったため」、とされています。
外壁にヒビ割れや汚れ、サビなどの現象が起きていれば、きれいに洗浄して、ヒビ割れを補修、さらにはサビ付きにはケレンをして擦り落としたあとでサビ止め剤を塗っておくなど、さまざまな下地調整が必要なのです。
この下地調整がしっかりされていないと、その次に塗る下塗りや中塗り、上塗りの塗料が外壁にしっかり密着されないため、すぐにまた塗膜の剥がれという状態に陥ってしまうのです。
塗装後のトラブル2 木や鉄の部分に傷みが生じる
個性的な住宅に多い外壁のデザインに、特定の部分だけを木材や鉄などの素材に変えて美観のアクセントすることがあります。
デザイン性に優れたおしゃれな外壁が仕上がることで人気がありますが、素材それぞれの性質を理解しておかないと。場合によっては、何度も塗装が必要になってしまう可能性があるので注意が必要です。
木や鉄は、ほかの外壁素材にくらべ劣化しやすいことから、定期的にメンテナンスが必要です。ほかの外壁と同じ塗料を使っていても、木や鉄の部分だけが先に劣化してしまい、塗装の塗り替えが必要になるケースも少なくありません。
そのため、費用は若干高くなりますが、メインで使う塗料のほかに木や鉄それぞれに適した塗料(防水性や防汚性、サビ止め塗料など)を使い、耐久性を考えた塗料選びをするなどの工夫が大切です。
塗装後のトラブル3 塗膜が薄くてヒビ割れが起こる
高額な費用をかけてせっかく外壁塗装をしたのに、数年後にまた「ヒビ割れ」が起きてしまったらショックですよね。
塗料の耐用年数よりも明らかに短い日数でヒビ割れなどの経年劣化が発生したときには、塗料の使い方や塗り方に原因があったと考えてもおかしくはないでしょう。
塗料には、水性塗料と油性塗料という薄め方が違う塗料があります。水性塗料は水、油性塗料はシンナーなどの有機溶剤を入れて薄めて使います。ここで、注意したいのが塗料を薄めるときの尺度になる「希釈率」です。
季節や気温により塗料メーカーが推奨している希釈率に応じて塗料を薄めるのですが、業者によっては費用削減のためにと希釈率を無視して必要以上に薄めていることがあるのです。
薄めて使えばそれだけ消費する塗料缶の数も減りますし、塗りやすいことで作業時間も短縮できます。しかし、このことが原因で塗膜が薄くなってしまうと、短い期間でまたヒビ割れが起きる可能性や、もともとあった古いヒビ割れを悪化してしまうなど外壁の劣化がさらに進んでしまうのです。
塗装後のトラブル4 重ね塗りの不足で劣化が進む
外壁に塗料を塗るときの基本は「3回塗り」です。これは外壁塗装をするにあたって絶対に覚えておきたいポイントです。
下塗り、中塗り、上塗りを一日ごとに進めるのが通常の工程で、どれを省略してもいけません。手抜き作業で2回塗りしかしていなかったときには、外壁の塗膜が薄くなりヒビ割れの発生や汚れの付きやすくなるなど、塗料の特性を十分に活かせない外壁になってしまいます。
2回塗りも3回塗りも仕上がりの見た目に差がないので、塗装をし終わったあとに手抜きかどうかを判断することは塗装のプロでも難しいようです。そのため、業者によっては誰がみてもわかるように、下塗りをはじめ、中塗りや上塗りでつかう塗料をすべて違う色にして手抜き作業をしていないことを証明するようにしています。
手抜き作業をされるのではないかと不安なときには、色を変えて塗ってほしいと業者に事前に相談してみると良いでしょう。
まとめ
今回ご紹介したような経年劣化が早いうちから発生してしまう大きな原因は、トラブルが起きること、そしてその原因などを覚えておくだけで事前に回避できることばかりです。もちろん塗装をするのは職人さんですが、すべてを任せきりにしていては防げるトラブルも見過ごしてしまいます。施主自身も外壁塗装に対して責任をもち、トラブルを未然に防ぐための工夫や対策をすることがとても大切になのです。